Column
2018年01月18日
建設業法情報
1月15日に開催された「第2回建設業社会保険推進連絡協議会」の事務局資料が公表されています。
どうやら、国土交通省は、社会保険未加入の事業者には建設業許可を与えないことの腹を固めたようです。建設業許可業者からの未加入企業を排除するための建設業法の改正を行う方針が示されています。
当日の資料は、「平成29年度の取り組み状況について」「これまでの社会保険未加入対策の取組状況」「今後の取組の方向性について」の三本立てとなっていまする
これまでの会保険未加入対策の取組状況の中に、平成24年度以来の取り組み内容のサマリーが記載されています。
概要は以下の通りです。
- 行政・元請・下請一体となった保険加入の推進…社会保険未加入対策推進協議会の設置,平成H29年度)を目途に、企業単位では許可業者の加入率100%を目標としていました。
- 行政によるチェック・指導…経営事項審査における減点幅の拡大, 許可更新時等の確認・指導
- 公共工事における対策の実施…国土交通省直轄工事における対策の実施、地方公共団体発注の工事における対策の実施
- 社会保険加入に係る建設企業の取組指針の制定・浸透…下請指導ガイドライン(課長通知)の制定
- 法定福利費の確保…直轄工事の予定価格への反映、法定福利費を内訳明示した見積書の活用
- 相談体制の充実…相談体制の充実
平成28年10月時点での社会保険加入状況は以下の通りです。
労働者別の加入状況で、雇用保険84%、健康保険80%、厚生年金保険で78% でした。
企業単位でも、雇用保険98%、健康保険97% 、厚生年金保険97%と目標未達になっています。
これを踏まえた、今後の取り組み内容です。
- 地域における優良な取組事例の共有…社会保険加入推進地域会議の全国展開
- 加入対策の更なる合理化・適正化…建設キャリアアップシステムの活用, 未加入企業の更なる「見える化」
- 未加入企業への対策の強化…建設業許可業者からの未加入企業の排除、民間工事や地方公共団体工事における対策強化
- 法定福利費の確保の取組の強化…実態調査を踏まえ、法定福利費を下請まで行き渡 らせるための施策の検討・実施、立入検査の継続
- 継続的な実態把握
- その他…従業員が4人以下の個人事業所や一人親方など、法令上加入義務のない者への対応策について検討
未加入事業者には建設業許可を与えない方針に加え、建設業許可を持たない事業者についても、社会保険未加入の業者を使う場合は未加入である旨を施工体制図に示す、という厳しい内容になっています。
国土交通省は本気ですね。