Column
最近の法制度改正の検討状況です。
平成29年11月17日に厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会」が開催されました。
席上、「食品衛生法改正懇談会取りまとめ」が報告されています。
この懇談会は、平成29年9月から11月にかけて5回にわたり開催され、食品衛生法に基づく食品衛生規制全般にわたる議論を行った結果が取りまとめられ報告されたものです。
その概要は以下の通りです。
[基本認識]
○ 平成15年の食品衛生法改正から約15年が経過し、食品の安全を取りまく環境が変化。調理食品や外食・中食への需要の増加等の食への ニーズの多様化や、輸入食品の増大など食のグローバル化が進展。
○ ノロウィルス等による食中毒は依然として数多く、広域的な食中毒事案や健康食品に起因する健康被害なども発生。
○ 2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、国際基準と整合的な食品衛生管理が求められる。
これらの食品衛生をめぐる現状と課題を踏まえ、食品衛生法改正等に直ちに取り組むことが必要。
この認識を踏まえた今後の施策の三本柱を以下のように設定しています。
1.健康被害の防止や食中毒等のリスク低減
2.食品安全を維持するための仕組み
3.食品安全に関する国民の理解促進
許認可にかかる検討はこの内、2.の「食品安全を維持するための仕組み」の中に示されています。
具体的には以下の内容となっています。
① 営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設
現在政令で定める34営業許可業種について、食中毒リスクや営業の実態に応じて、許可対象業種を見直すとともに、営業届出制度を創設。
② 食品リコール情報の把握・提供
食品等事業者が自主回収情報を行政に報告し、行政が国民に提供する仕組みを構築。
③ 輸入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化
輸入食品の安全性の確保のため、輸出国段階での対策強化として、HACCPによる衛生管理や乳製品・水産食品等の衛生証明書の添付の輸入要件化。
食品の輸出のため、自治体の食品輸出関連事務の根拠 定など、法的な規定の創設。
これを見ると、現状の商品製造販売許可を要する34業種の見直し、届け出制度の創設が盛り込まれており、他方食品の輸出入についても、新しい許認可が創設されることとなっています。
つまり相当な大改正となりそうな内容ですね。
改正の時期についてはここでは具体的には示されていませんが、「東京オリンピック・パラリンピックを控え」「直ちに取り組む」という表現が使われていることを考えると、至近時点での改正が見込まれますので、今後の検討を注視していく必要があります。
詳細は下記をご参照ください。