Column
ちょっと前の新聞記事です。
10月16日付河北新報に「<衆院選東北>国難(1)子育て/保育士不足 対策後回し」という見出しで掲載された記事です。
ちょうど衆議院選たけなわの時期でしたので、選挙関連の各党の公約に関する記事でした。
その内容を要約すると、保育の現場での喫緊の課題は、保育士の不足であり、そのことに対する政策が求められている。
他方、参議院選のための各党の公約は、教育の無償化であって、人材確保の課題はかすんでしまっている。
保育の現場では、人出が足らず結果として、園児の受け入れ人数にも差しさわりが出てしまうケースもある。
また、保育園の不足への対応として、保育園が新設されることがさらに保育士の不足に拍車をかけている。
政党の施策は現場の実態を踏まえていない。
という趣旨の記事でした。
河北新報は翌10月17日に「衆院選に問う 教育・子育て/格差是正と公平性が鍵だ」という社説を掲載しています。
内容は、衆議院選に向けて全政党が、教育の無償化などの子育て支援策を公約に掲げている。
自民党は、その財源に消費税率を10%に揚げた際の増収分の一部を使うこととしている。
しかし、これは、結果として高所得者により利益が大きい施策となる。
なぜなら、現状の保育料は世帯の所得によって漸増する料金体系となっているから。
日本維新の党は増税しなくても無償化は可能としている。
また希望の党は、無償化とともに待機児童ゼロを法的に義務付けるべきと主張し、共産党は待機児童の解消と共に無償化の推進、立憲民主党は保育士、幼稚園教諭の待遇改善による受け入れ側の底上げも掲げている。
財源問題につての具体論に欠ける公約が多く、施策についてもどの施策をどういう順番で打てば課題が解決できるのか、具体性に欠けている、と指摘しています。
私は、保育の無償化と待機児童ゼロの実現、保育士や幼稚園の教諭の待遇改善の課題は三者択一の課題ではなく、いずれも重要度の高い課題であると思います。
これらをまとめて一気に解決できればこしたことはないのですが、財源面や人材面からの制約がある中でどういう手順でそれぞれをどの程度まで進めるのか、具体的施策展開が必要であると考えます。
本年9月に開催された、子ども・子育て会議で基本指針の改正案について審議されていますが、政治のレベルでは十分な議論が行われた形跡はありませんでした。
今後、実態を踏まえ十分な議論がなされることを期待します。
記事のアドレスは下記を参照してください。
(「<衆院選東北>国難(1)子育て/保育士不足 対策後回し」 10月16日付記事)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171016_11012.html
(「衆院選に問う 教育・子育て/格差是正と公平性が鍵だ」 10月17日付記事)
http://www.kahoku.co.jp/editorial/20171017_01.html