このページを編集する

お客様の課題を一緒に考え解決する行政書士 こいでたくや事務所

Column

兵庫県の認定こども園に係る緊急調査と適正運営・再発防止のための指針が7月28日に公表されました。
2017年08月04日 福祉保育情報 

ワンズマザー保育園の不正事件を機に本年4月に兵庫県内の400の子ども園を対象に実施した緊急調査の結果と再発防止のための指針が公表されました。

 それによると、施設の必要面積が不足している認定子ども園が18施設、一クラスの定員超過が7施設など延べ29施設に不適切な事案が確認されたそうです。

 これを踏まえ、県では従来、幼保連携型の認定こども園のみを対象にしていた認定子ども園審議会の関与を、幼稚園型、保育所型、地方裁量型を含めて、全類型の認定こども園を諮問対象とすることなどを骨子とする再発防止の指針を発表しました。

   県健康福祉部のページ
    http://web.pref.hyogo.lg.jp/kf11/hw10_000000037.html

   知事記者会見のページ
    http://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/g_kaiken20170724.html

 

記者会見全文

 緊急調査は、姫路市の「わんずまざー保育園」の不正事案を受けて4月に調査をしたものです。目的は、自主点検を促進、実態状況の確認をした上で情報提供をして今後の監査などの実施に備えることです。調査対象は、県内の認定こども園400園です。調査時点は平成29412日現在です。実態報告を受けて、集計・分析を行い、記入事項について記入漏れ等がある場合には再調査を実施しました。また、定員超過の状況等の重要事項は、市町を通じ事実を確認しました。調査結果は、今日、発表をしていますが、県内全ての各園の状況は、県こども政策課のHPに掲載させていただきます。掲載内容は、資料に記載の項目について概要を掲載させていただきます。また、725日から各園の状況を公表することと関連して、保護者等からの問い合わせが考えられます。基本的には各園が回答できるはずですが、問い合わせ等が園の都合で出来ない場合は、県こども政策課や市町の担当課でも応ずることにさせていただいています。緊急調査で改善が必要であると確認した施設は、市町等を通じて対応を指導していますが、9月初旬までに改善策の報告を求めることにしています。その後も、健康福祉事務所や県こども政策課等で追跡調査や現場確認等を行い、必要な措置を講じていきます。

 調査結果は、必要な面積が不足している保育室、園舎、園庭が18施設ありました。かっこ書きは10月までに改善予定の施設数です。1学級35人の定員を超過していたのは7施設で、職員配置で課題があったのは4施設でした。延施設数は、重複を含んで29施設ですが、実数としては25施設です。うち15施設は10月までに改善を予定しています。その他も10月までに改善できなくても来年の3月末までには改善をすることにしています。

 概況の定員の弾力化の状況では、約半数の施設が利用定員を超過して児童を受け入れていますが、これは待機児童解消のためです。結果として保育室等が面積基準をオーバーした運用になってしまっているところが17施設あったということです。いくつかの施設については、園に直接申し込む人数(1号認定子ども)と市町の利用調整を経て入所する子ども(2号認定子ども)の人数について調整することが必要になっています。園舎では1施設です。私的契約児を受け入れている施設は1施設でした。学級編成については、35人を上回るクラスがあるのは7施設でしたが、これについても10月末までに改善をしますが、改善できないところは今年度中に改善をする予定です。職員の状況では、資格のない方が園長になっていたケースがありましたので、直ちに是正を指導しています。近く、人事異動があるはずです。保育教諭の配置状況も、1名が非常勤で対応していたという事例ですので、正規職員の配置をお願いしています。保育教諭以外の職種の配置状況は、学校薬剤師の方が1施設で改善中です。面積不足、施設との兼ね合いがあるところは改善を3月までに全て行いますが、10月までに改善をするのは表に示してあるとおりです。開所時間は問題がありませんでした。賠償すべき事故に備えた保険への加入は18施設が未加入でしたので指導をしています。苦情窓口もほとんどが設置されていますが、5施設を指導中です。第三者評価の受審については、まだまだ十分ではありませんのでしっかり指導をしていくことにしたいと考えています。給食の状況について、直営が308施設、委託が88施設、直営と委託の両方が4施設ありました。提供食数は、概ね実人数に相当する数が提供されていました。栄養・食品摂取状況は、基本的に問題はありませんでした。8ページのグラフを見ていただきますと、例えば12歳児の平均エネルギー摂取量の平均値は350㎉を基準に指導をしていますが、21施設が350㎉を下回っていました。しかし、提供日数の計算違いやおやつの分を入れていなかった等の例がありましたので、それらを加味して再計算すると平均389㎉で350㎉を上回っている状況です。同じように35歳児は400㎉未満が問題になるのですが、平均エネルギー摂取量は計算違い等を直すと424㎉になっているので、エネルギー摂取は概ね適正でした。11日あたりの給食材料費は、ボリュームが違うため、12歳児の平均は204円、35歳児の平均は215円でした。以上が実態の結果です。総じてみると、大きな運営上の問題を生じているとは言えず、ほとんどは適正運営をしていると思っています。また、いくつか是正してもらわなければならない園がありますが、これらも基本的には10月末までを目途に、どうしても間に合わない場合は今年度中に是正をしていただくことで指導を徹底しています。

 このような結果を受けて、認定こども園審議会の意見を踏まえて、今後の適正運営・再発防止に向けた対策を行うこととするための指針を策定しました。指針の概要は、認定こども園審議会の関与を拡大することにしています。従来は、幼保連携型の認定こども園のみを対象にしていましたが、幼稚園型、保育所型、地方裁量型を含めて、全類型の認定こども園を諮問対象とすることにしました。審議の過程において特に必要と判断された場合には、現地確認を実施することにしています。また、地方裁量型が他類型へ移行することを奨励したいと考えています。指導監査等の強化は、新設園では1年以内に施設監査を実施していましたが、認定こども園に新規移行した園についても1年以内に施設監査を実施することにしました。また、抜き打ち監査・調査の活用も図ります。指導監査における市町との協働を強化する意味で市町の実施する確認監査の活用も行います。監査調書の項目充実による指導の充実として、食事の提供数や教育保育課程の指導計画の作成状況等を追加します。地域子ども子育て支援事業「新規参入施設への巡回支援」の推進では、新規参入施設に対して保育士等の事業経験のある者等が定期的に巡回し相談・助言指導等の支援を行うこととして実施主体である市町への働きかけを行います。チェックポイント集を10月頃までにまとめますので、これを活用して自己評価をきっちりしてもらうことを指導します。また、各施設での情報公開をしっかり行うべく指導をします。研修についても充実を図ります。12ページに記載のとおり、公益通報者保護制度をしっかり運用していくことが重要だと思っていますので、公益通報者保護制度について研修等を通じて周知の徹底を図ります。また、問い合わせ等は認定こども園や市町、県こども政策課に従来からできますが、「保育のなやみごとゼロ・ホットライン」を構築しました。#7350です。電話相談に応ずることとさせていただきます。以上が4月に実施した緊急調査の概要とそれに対応する指針の概要です。

 

タグ: 認定子も園  兵庫県