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Column

遺言が効果的な場合 ①
2017年08月23日 遺言相続早わかり 

遺言は、本人が亡くなられた後、残された財産の配分を本人が予め考えた通りに行い、そのことによって残された遺族間の相続の手続きがスムーズに行われるものであるので、どのような場合であっても効果的な制度であります。

しかしながら次のような家族構成や事情がある場合には、特に効果が期待できると考えられます。

 

その前に、家は妻と子供は仲がいいから大丈夫だよとお考えの方はいらっしゃいませんか。

たしかに、きっと仲の良いご家族なのでしょうね。

ところが、特に子供がちいさい時は全くその通りなのでしょうが、だんだん大きくなってきて、それぞれの生活が確立されてくると、それに応じて感じ方や考えも少しずつ変わってきたりするものです。また、結婚したりすると、その配偶者の意見も出てきてまとまりにくい要素がだんだん増えてきます。配偶者は本来遺産分割協議に関わる者ではありませんが、その意見は事実上重かったりするものです。

これらの遠心力に対して、それまで家族の中心であったご本人の死によって、家族としての求心力は弱まり勝ちです。そうするとちょっとしたことで、相談がまとまらなくなったりするものです。

転ばぬ先の杖としての遺言は大切なものだと思います。

 

さて、遺言が効果的な場合、その①です。

 ① 法定相続分とは違った割合で、配分したい事情があるとき。

  ご本人からみて、特定の相続人に特に厚く相続させたい事情があるときです。たとえば、ハンディを負った方がいて、その方の今後の生活を考慮してその方に
 厚く配分したいとか、老後の生活において特定の相続人が特に負担をかけた、という場合が考えられます。

  前者の場合、遺言がないと、その必要性は誰しもが理解するにしても、いざとなると自分の相続分を削ることについては抵抗があってまとまらない。というこ
 とが考えられます。

  また、後者の場合、遺産分割協議において寄与分という考え方がとれるにしても、いったいどれくらいなのかということも含め関係者の合意を図ることは案外
 むつかしいものです。

  ご本人のお立場から公平とおもわれる内容を簡単な理由を付して遺言として残されることは大変効果的であると考えられます。

 

ほかにも遺言を残すことが効果的な場合があります。それはまた次回にご説明したいとおもいます。

最期まで読んでいただきありがとうございました。

タグ: 遺言が効果的な場合