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Column

葛飾の野菜について 松戸通信第7号(5月刊)に掲載の記事です
2020年06月06日 メモランダム 

3.葛飾の食べ歩き・町歩き 7

 新型コロナウィルスの影響で、今月も町歩きができない状況です。

 そこで、今月も調べ物でお許し願います。

 今年のイチゴもそろそろシーズンの終盤になってきました。私の子供の頃は、露地物のイチゴがこれから出回ってくるのでしたが、今はそんなものはないですね。

 それにしても、イチゴの品種の多いこと。

 毎年新しい品種がつけ加わってきます。  

 私の子供の頃は、(昔話が続きますが、)イチゴの品種というと、宝幸なんていうのがありました。

 まぁ、どのイチゴも甘酸っぱいというよりは、酸っぱいものでしたが、今のは、格段に甘くなっています。

 イチゴだけではありません。野菜もすっかり変わってしまいました。

 そこで、今回は昔の野菜、葛飾で江戸時代から作られていた野菜について調べてみます。

 まず、整理しておかなければならないのは、葛飾の範囲です。創刊号にも書きましたが、葛飾と言う地名は、東京だけでなく、埼玉・茨城・千葉にもまたがる広い範囲を古来さしたもののようです。

 それ自体調べて整理しなければならないのですが、便宜上ここではウィキペデイァの「かつての 下総国 と 武蔵国 、現在の東京都(墨田・江東・葛飾・江戸川の各区)、千葉県西部、埼玉県東部(及び茨城県の一部)にまたがる広範な地域を指した」ということを受け入れることとします。

 さて、昔からの野菜の品種というとまずは、京野菜を思い起こしますが、今求めているのは葛飾の伝統野菜なので、江戸野菜ですね。

 江戸東京野菜については現在農協によって50種が認定されています。

 その中で、江戸時代からの品種で葛飾地方でも作られていたものを探してみます。

 冒頭定義した地域に関する作物は、①亀戸大根➁金町コカブ③.ごせき晩生小松菜④シントリ菜(ちりめん白菜) ➄.砂村三寸ニンジン ⑥寺島ナス(蔓細千成ナス) ⑦本田(ほんでん)ウリ ⑧砂村一本ネギ ⑨三河島エダマメ の9種類になります。

 このうち江戸時代からの野菜で今も栽培されているのは、①③⑨の三種類になります。

 

まずは、①亀戸大根ですが、見ての通り小ぶりの大根です。

JAのサイトには、『根が30センチ近くと短く、先がくさび状に尖っているのが特徴で、明治の頃はさかんに栽培されており、「おかめ大根」とか「お多福大根」と呼ばれていましたが、大正初期に産地の名をつけて「亀戸大根」と呼ばれるようになりました。 』とあります。

これは高砂辺りで今でも作られているそうです。

次に③ごせき晩生小松菜です。小松菜もいくつか品種があるようで、これは、小松菜発祥といわれる江戸川区内で品種改良され、戦後種として固定されたものだそうです。ちなみに小松菜の謂れは、JAのサイトによると、『徳川吉宗が鷹狩りに出かけた際、小松川村で休息した。そこで接待役を務めた亀戸香取神社の神主が、この地で取れた青菜を彩りにあしらった餅のすまし汁を供したところ、いたく気に入り、「この青菜は何という名前か」「特に名はございません」「それでは"小松菜"と呼ぶが良い」となったとされています。 』

 次は、 ⑨三河島枝豆です。特別な品種というよりは、古くからこの地域の特産だったということかもしれません。

 さて、ここまでは現在都内の葛飾地域に伝わる伝統野菜です。他の地域はどうだったのでしょうか。

 下総というと私はすぐに矢切ねぎが思い浮かぶのですが、残念ながらこれは、明治時代以降栽培されるようになったもののようです。

 他には、下総全域ではぐらうりが古くから栽培されています。白瓜の一種で皮の色が緑色のものが多いようです。いくつか品種があるようですが、どれが在来種なのかはわかりませんでした、千葉の名産である鉄砲付けもはぐらうりを使います。

 土気(千葉市内)のからし菜は江戸時代から受け伝えられる伝統野菜のようですが、さすがに葛飾とはいいかねますね。 

 最後に茨城県。これもまた情報が少なくて困りました。

 稲敷市というと霞ケ浦の方になるのでこれもまた葛飾の区域からははずれますが、浮島大根というのがあるようです。これも残念ながら明治期からの品種のようです。

 あとは茨城は納豆の原材料の小粒納豆の在来品種があったようですが、特定できませんでした。特定できたとしても水戸周辺であるとするとさすがに葛飾とはいいがたいですね。

 さすが江戸は古くからの野菜が研究され保存されているものだと感じた次第です。

 



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