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お客様の課題を一緒に考え解決する行政書士 こいでたくや事務所

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Column

マーケティングの基礎講座 マーケティングコンセプトとは 企業の基本姿勢 
2020年06月16日 メモランダム 

マーケティングコンセプトとは、

マーケティングを行うにあたっての、

その会社の基本的な方向性

とでもいうべきものです。

さて、

それではそもそも

マーケティングとはなんなのか?


私の手元にある資料によると、

マーケティングとは、

「主に、企業によって

戦略として計画・実行される

(製品の継続的な市場投入を通じた)

市場(消費者の集合体)への

創造的な適応活動。」

とあります。

なんだか

わかるようなわからないような

表現ですが、、、

マーケティングというと

市場分析とか顧客とかを

真っ先にイメージしますが、

企業が自らを市場に合わせていく、

活動そのものなのですね。

つまり、

よりダイナミックな

企業活動そのものであるのですね。

そのような観点からの

企業の基本的な方向性を、

マーケティングコンセプトと呼ぶのだ、

ということがわかります。

 

この、

企業の市場に対する

基本的な方向性については、

いくつかの類型が示されています。

 

以下にその類型を示します。

まずは「生産志向」です。

企業の関心が商品を作る点にあって、

そのことを中心に

企業活動が回っていたという意味です。

これを

「生産志向」と「製品志向」に

分けている例もありました。

この方が、

企業の姿勢が

より明確になるように

私には感じられます。

その区分では、

生産志向においては、

「消費者は

手頃な価格の製品やサービスを

求めている。」

という認識のもと、

安い手ごろな商品を

大量に生産することに

企業が注力する姿勢です。

そのため

生産性を高め、コストを下げ、

大量に流通させることに

企業活動の中心が置かれます。

物が不足していた時代から続く、

最も古くから存在する

企業の姿勢ですが、

現在でも、

安さが売りの

食品であるとか、雑貨などでは

この考え方で企業活動が行われている

とも考えられます。

次に「製品志向」です。

需要に対して

供給を行う生産者の数がある程度揃ってきて、

需要に見合った生産が行えるようになると、

その市場では、

生産者間での競争が生じます。

この段階では、

消費者は

より高品質な製品を求めるように

なってきます。

このため、

企業はより高い品質や機能を追求し、

製品の改良や革新的な製品の開発を

行うようになります。

自社の技術力をもとに

消費者のニーズに適う商品の

生産にいそしむのです。

すなわち、

生産志向は技術志向であり、

自社の技術力を背景に

企業主導で製品開発を行い、

その製品を市場に投入するのです。

これをプロダクトアウトと呼びます。

次に販売指向です。

生産志向、

すなわち、

物が足りない時代の企業の姿勢が、

競争の時代になって、

製品の品質向上に向かったのが、

生産志向でしたが、

別の方向性もありました。

すなわち、

何もしないとお客様は

商品を買ってくれないので、

より積極的に販売を行い、

そのため、

広告などのプロモーションを

積極的に行おう。

という姿勢です。

大量に生産したものを

いかにして売りさばくか、

という課題に対応するものでした。

そのための販売戦略が考案されています。

(フップセル・クロスセル等)

製品志向と販売指向は

ある意味表裏一体のものです。

高品質のものをたくさん作って、

消費者に売り込め、

ということですね。

つまり大量生産大量販売。

さて、顧客志向です。

顧客が求めている商品を

市場に投入していこう、

という企業の姿勢です。

そのために、

まず顧客のニーズを把握し、

それを踏まえた製品を

作り出していこうという活動を

企業は行います。

顧客ニーズ把握のために

顧客とのコミュニケーションが

必要になります。

今まで、

売り込む相手方であった

顧客とコミュニケーションを図るという、

新しい関係性を結ぶ必要が

生じてきたのです。

この姿勢に基づく生産は、

顧客ニーズに起源を発し、

自社の技術で製品化する点で、

既述のプロダクトアウトと

真逆の流れになります。

これをマーケットインと呼びます。

更に、

包括的マーケティングという

姿勢があります。

顧客志向においては、

顧客ニーズが偏重されたのですが、

ここでは、

顧客に限らず、

企業活動にかかわる

全ての登場人物が重要であり、

それぞれについて

尊重した取り組みが必要

という考え方です。

この考え方によると、

企業は、

顧客だけでなく、

出資者等の財務メンバー・

協力関係にある企業等の諸団体

・従業員ひいては社会全般と

コミュニケーションをとりながら、

利害関係者と長期的な関係を保ち、

それぞれがWin-Winの関係を築くことに

主眼をおいた活動を行うことになります。

多様な関係者に対する

マーケティング活動を

うまく連動する必要が生じます。

この中から、

特に社会全般とのかかわりに

注目したマーケティングコンセプトを社

会志向と呼びます。

ある時期から、

企業の社会貢献ということが謂れるようになり、

その後CSRという呼称が広まり、

SDGsということが言われています。

それぞれ概念は異なるとしても、

社会に着目した企業活動であり、

まさに社会志向の表れであると考えられます。