Column
篠田桃紅という画家をご存知でしょうか。
2013年に大連に生まれた女流日本画家です。
水墨画による抽象画…、墨象画と呼ばれる作風の画家です。
下記のアドレスにその作品が紹介されています。
http://www.gi-co-ma.or.jp/collection/art/
黒と白を基調とした作品が多いですが、それでも大胆な構図、大柄な筆運びで目を引く作品が多く、時に朱や金銀を用いてはっとする色合いの作品も見受けられます。
実に長命で、大正・昭和・平成・令和の時代生きて、ご存命の方です。
年表を見ると、2010年代に入っても新作が発表されたり、2015年発表のエッセイ集が話題になったりと、活発な活動をされている方です。
その方に、「雛祭り 母の色」という作品があります。
桃紅さんの子ども頃、家に飾られていた雛人形の思い出が語られています。
まず、このエッセイで使われている色の種類の多いことに驚きます。
「朱」「あさぎ」「金」「黒」「紺」「あかね」は普通に使われる色だとして、「朱華」とはなんとも華やかな雰囲気の色です。
ところが、この色は「ややさびた朱」のような色なのだそうです。
雛人形の雛壇の敷物の色が、普通とは違っていて、この色であったという思い出なのですが、人形などについての細やかな描写と相まって、母親の面影が感じられる作品になっています。
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