Column
前回は、相続はもめやすいことが統計からも明らかであること。
もめることの背景に、親子や兄弟間にコミュニケーション不足や、信頼関係の欠如がある場合が多いこと。
について触れました。
ちょっと具体的に考えてみましょう。
例えば子供が大学に入ると親元離れて下宿生活を始めることはよくあることですね。
そして多くの場合、卒業とともに会社に就職することになります。
それが故郷の企業ではなく、大学がある地域の企業であったり、全国展開の会社で親元から離れたところでの勤務であたりすると、実家へ帰るのは年に一回か二回、つまり盆暮れくらいになってしまいます。
これではなかなかじっくり話す間もないですね。
ところで、思春期の子供は難しいですね。
なかなか、コミュニケーションがとりづらいですね。
親は、ついつい気になってこまごま口出しし、子はそれに益々反発…。
ついては、ろくろく口もきかない、ということも起こりがちではないでしょうか。
子は、親との関係の鬱陶しさをもあって、親元から通える大学できなく、遠隔地の学校をあえて選択する。ということもありますね。
冒頭書いたようなケースであると、反抗期の親子関係がそのまま、就職後も持ち越されてしまいます。
まして、子が結婚して独立した所帯を持つようになるとなおさらですね。
いつの間にか、ぎくしゃくとしてうまくコミュニケーションがとれない状態が固定化されてしまいます。
親から見ると、小さかった頃の素直でかわいい子供と、反抗期の手におえない子どもという二つのイメージが強く、今の子供の状態は見えないでいます。
さまざまな経験を積み、結婚をし子どももいる今の子供のメンタリティーは変わっているのですが、そこがつかみきれないのですね。
他方、子供の方はどうでしょう。
親と正面から向き合うまでに成長した子どもなのですが、どこからどう切り出したらよいのか、気まずい過去の関係もあり切り出せないでいるのです。
このままでは次世代に託す親の思いをきちんと伝えることは難しいですね。
母と娘の関係は、これとは違って、友達感覚でスムーズだというケースも多いようです。
が、相談に見える方のお話しを聞くと、だからといってきちんと向き合えているというわけでもない場合も多いようです。
いずれにしても、親子関係は案外むつかしいものです。
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