Column
本年6月から全ての飲食店で「HACCPに沿った衛生管理」が義務付けられたことは、このコラムでも何回か取り上げたことがあります。
小規模な事業者に対しては、「ハサップの考え方を取り入れた衛生管理」というハードルを低くした導入しやすい、衛生管理が義務付けられています。
個人で経営されている小規模な飲食店にも適用される新しい衛生管理の方法なので、段階的に導入されることになっています。
今年6月に義務付けられたといっても、すぐに全面実施ということではなく、今後一年間は猶予されることになっています。つまり今後一年間は、保健所が立ち入り検査に来た時に、ハサップを見せてください。と言われても、「今作っています。まだ出来上がっていません。」と回答すれば、okということになっています。
また、食品製造販売の保健所の許可の更新の際にも、作成したハサップを添付する必要もありません。
では、しばらくは作らなくても大丈夫なのでしょうか。
どうやらそうはいかないようです。
「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」という資料があります。
厚生労働省が作ったハサップ(HACCP)に関する参考資料です。初版が作られたのは平成30年、この制度の導入が本格的に検討された時期になります。
その後、機会がある毎に修正が行われています。
制度が施行された6月1日にも修正が行われています。
それによると、
「衛生管理計画に不備があった場合 、 直ちに行政処分の対象となりますか。」
という質問が出ています。
これに対して、
「一般的には、 事業者が衛生管理計画を作成しない場合や内容に不備がある場合、又は作成しても遵守していない場合、まずは改善のための行政指導が行われます。事業者が行政指導に従わない場合には、改善が認められるまでの間、営業の禁停止などの行政処分が行われることがあります。」
との解説がなされています。
つまり、施設の立ち入り検査の時に、ハサップに基づく衛生管理計画が作成されていなくて、「いついつまでに作ってね。」という行政指導を受けた後に、作成されていない場合は、作成されるまでの間、営業停止等の処分が下される可能性があるわけです。
いずれ作らなくてはならないものなら、早く作った方がいいですねぇ。
面倒な書類作りはお手伝いします。
話題は変わりますが、新型コロナウィルスの流行下で、飲食店の皆様はご苦労されていると思います。席を間引きし、アクリル板で仕切りを作り、お客様が代わる毎にアルコールでテーブルを拭き、換気をしていますよね。
ところが、それが店の外からはわかりにくいですね。
新型コロナ対策も含めたハサップを早く作って、そのことを示すことで、衛生管理をきちんとしているお店だということをアピールしませんか。