Column
ちょっと間があいてしまいましたが、中小企業庁の来年度予算案についての概説です。
ここでは今年度の補正予算についても、併せて説明されています・
補助金の類は、当初予算というよりは、補正予算で執行されることがおおいですね。
中小企業庁の課題認識としては、中小企業が直面する課題として、日本の構造的な変化と、これに対して相次いで打ち出される施策への対応があげられています。
中小企業が直面する構造変化としては、「経営者の⾼齢化」、「⼈⼿不⾜」、「⼈⼝減少」という三点があげられています。
また、相次いで打ち出される施策としては、「働き方改革」「社会保険適用拡大」「賃上」「インボイス導入」が挙げられています。
これを昨年度と比較すると、構造変化の認識については前年から変わらず、国の施策への対応という、ストレートな表現は令和2年度からの設定となっています。
この認識を踏まえた、重点項目として、
①「事業承継・再編・創業等による新陳代謝の促進」、
➁「⽣産性向上・デジタル化」、
③ 「地域の稼ぐ⼒の強化・インバウンドの拡⼤」、
④ 「経営の下⽀え、事業環境の整備」
4点と「災害からの復旧・復興、強靱化」があげられています。
これを今年度予算と比較してみると。基本的に同じ組み立てとなっています。
項目ごとに見ていくと。
①事業承継・再編・創業等による新陳代謝の促進
事業承継を契機とした⽣産性向上(ベンチャー型事業承継・第⼆創業)、経営資源引継ぎ型の創業、事業承継時の⼀部廃業も⽀援。
経営者保証の解除促進に向けた専⾨家⽀援。事業承継時に経営者保証を不要とする新たな信⽤保証メニューの創設、専⾨家の確認を受けた場合に保証料を最⼤ゼロ(管理費の⼀部を除く)と⼤幅軽減。
事業引継ぎ⽀援センターにおけるマッチング⽀援により第三者承継を後押し。
➁⽣産性向上・デジタル化
中⼩企業の今後相次ぐ制度変更(働き⽅改⾰、社会保険適⽤拡⼤、賃上げ インボイス導⼊等)への対応のため、⽣産性向上を継続的に⽀援。「ものづくり 補助⾦」「IT導⼊補助⾦」「⼩規模事業者持続化補助⾦」を⼀体運⽤。
専⾨家による、⽣産性向上に課題を抱える業種の特性に応じた相談対応。
中⼩企業の現場へのAI導⼊を⽀援する⼈材の育成・普及。
この項目では、補正予算の付与が昨年に比べ大幅に増額されています。
補助金の大盤振る舞いがあるかもしれません。
③地域の稼ぐ⼒の強化・インバウンドの拡⼤
地域経済を牽引する企業等を重点的に⽀援し、イノベーションによる新事業展開 (地域未来投資)を促進。
訪⽇客⽬線でのコンテンツ開発、商店街等のデータ活⽤等によるインバウンド需要 の取込強化。
⼤企業の中堅⼈材等による地⽅での起業や中⼩企業への就職等を後押し。
地域・社会課題を解決するビジネスモデルや地域における創業を⽀援。
海外販路開拓等に向けた商品・サービス開発やブランディング等の⽀援。
④経営の下支え、事業環境の整備
この項目でのキーワードは「政策金融」「消費税転嫁」「商店街活性化」「観光事業創出」
⑤災害から復興・復旧、強靭化
この項目でのキーワードは「補助金」「資金繰支援」