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お客様の課題を一緒に考え解決する行政書士 こいでたくや事務所

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Column

営業代行に関するご相談の二つ目です 営業代行使い方を間違えませんように

ちょっと前に営業代行と不動産業の関係での留意点を書きました。

今度は、建設業です。

この分野も競争の激しい世界。しかもこの道一本で、営業はあまり得意でない方も多い世界。

必然的に営業代行にお願いする機会も多くなるのかと思います。

見込み客を見つけてご紹介いただき、ご紹介一件についていくらとか、成約一件についていくらとかをお支払いするのなら問題はないと思われます。

問題は、営業代行の会社が契約の間に入ってしまう場合に生じます。

問題その1…

建設業請負契約を締結するのには、原則建設業の許可を取得する必要があります。

実際は、一件当たり税込み500万円未満の工事であれば、建設業許可を取得していなくても契約を締結の上、工事を行うことは可能ですが、実際のところ、営業代行をお願いして、契約の間に入っていただいた方がよいと考えるようなケースでは、500万円を下回るような小口の契約はないと考えられます。

この建設業の許可というやつですが、実は取るのがなかなかに難しい代物なんです。

まず、内装だの塗装だの解体業だのと業種が多種に分かれていて、その業種ごとに許可をとる必要があって、ゼネコンならともかく、普通の町の会社では建設会社でも簡単には多種の業種の許可をとることは困難です。

しかも、役員に技術の責任者と経営の責任者を業種ごとに配置する必要があって、この責任者になるための資格や経験が細かく決められていて、専門の建設会社でもなかなか許可を取りにくいのが実態です。

つまり、実際は、建設の専門ではない営業代行の会社が建設の請負契約を合法的に契約することはほぼできないと考えられるのです。

次に、管理上の問題があります。

建設工事はある程度以上規模の大きなものであると、実施体制が重層的になっている場合が多いです。

つまり、元請け-一時下請け-二次下請けといった具合です。

大きなプロジェクトでは、実際に工事をしているのは五次・六次の下請けだったりします。

よく丸投げとか、ピンハネとか言って、上の会社は何もしていないかのような表現がされているのを新聞紙上などで見かけることがあります。

本来は、そのようなことではなくて、元請けや一次下請けなど間に入る会社にも責任があるのです。

それは、配下の下請け会社間で工事が円滑かつ安全にすすむように調整することです。

その調整は計画的・具体的に行う必要があり、そのための責任者の配置も必要です。

 

今回、相談を受けて初めて営業代行の会社が契約上も間に入る場合があることを知ったのですが、なんのためにそんなことをするのかというと、おそらくこういうことだろうと思います。

つまり、営業代行の会社が見込み客を連れてくれて協議の結果、成約にはなったものの、その会社の信用がどの程度のものなのか建設会社としては判断できない。与信審査なんかうちじゃできない、仕事はやりたいけれど、そこはちょいと心配。というときに営業代行の会社に間に入ってもらえれば、請負代金は営業代行会社からもらえばいいので、資金回収は営業代行会社に任せられる。営業代行会社としても、単に紹介料をもらうより、多い金額を取れる、という双方の利害が適った結果のように思えます。

 

まあ、確かに平常時でこのようなことが起こるのは比較的稀なことだろうと思います。

が、問題は万一の場合です。つまり事故があった場合、労基署は事故の原因究明と合わせて安全管理上問題はなかったか、ということを徹底的に調べます。

サラリーマン時代に、実際に元請けや発注者の立場で事故を起こして、契約関係や安全管理体制の調査を受けたことがあります。本当に大変なんです。

万一のときにそういうことに巻き込まれますよ。

 

自分が責任を負える範囲で契約に関与されることをお勧めいたします。

タグ: 行政書士こいでたくや事務所  営業代行  法務相談