Column
親の相続でもめないために
親の相続で兄弟がもめる理由|事例から考える本当の原因
事例研究・後編 ――私なりの考え――
前回の三兄弟のお母さまの相続に関するトラブルについて、今回は私なりの考えを書いてみたいと思います。
前回も書きましたが、こうした問題に「絶対の正解」はありません。
しかし、他人の事例をもとに自分の立場で考えてみることは、いずれ自分の番が来たときの大切な予習になります。
今回の事例の要点は、
ご両親の面倒を見てきた末娘がすべて相続することでまとまりかけたものの、
実家の処分の話が出たことをきっかけに、話し合いが混乱してしまった
という点にあります。
詳しい経緯は、前回のブログをご覧ください。
子どもたち側の問題について
まず、子どもたち三人のやり取りについて考えてみます。
1.全体的なこと
本来であれば、具体的に決める前に、それぞれの状況をきちんと共有する場を持てればよかったと思います。
もっとも、皆それぞれ忙しく、それが現実的に難しかった可能性もあります。
2.妹さんの相談と次兄の対応
妹さんが「実家を処分したい」と相談したとき、次兄は、
「妹が相続する以上、妹の考えを尊重すべきだ」
と考えたのだと思います。
処分した場合にいくらくらいになるのかを確認すること自体は、決して不自然な行動ではありません。
ただ、その相談をしやすい相手が次兄だったとしても、長兄にも一言伝えておくべきだったと思います。
3.次兄の立場として
妹から相談を受けた次兄も、長兄に一言話を通しておくべきだったでしょう。
不動産業者は商売ですから、どうしても「処分する前提」で話が進みがちです。
そこに家族の微妙な感情や力関係までは配慮してくれません。
4.長兄の反応
一方、長兄も、不動産業者から直接話を聞かされ、頭に来たのでしょう。
しかし、そこで一度冷静になり、次兄や妹に事実関係を確認する余地はあったと思います。
結局のところ、
それぞれが「一言ずつ足りなかった」
その積み重ねが、話し合いを壊してしまったように見えます。
ここまでが、子どもたち側の問題です。
親が生前にできたかもしれないこと
次に、親の立場から考えてみます。
1.情報共有の習慣
離れた場所で暮らす子どもを含め、情報の共有はできていたでしょうか。
子ども同士が自然に連絡を取り合えるような関係づくりはできていたでしょうか。
定期的に、それぞれの状況や親自身の状況を発信していたでしょうか。
連絡を取り合う「くせ」をつけさせることも、親の大切な役割だと私は思います。
2.親にしか見えない全体像
三人の子どもたちの状況を、全体として把握できるのは親だけです。
今回の相続では末娘の今後の生活がテーマになりましたが、
他の兄二人の生活は本当に問題ないのか
教育費や住宅、老後などに不安はないのか
そうした点まで目配りをしたうえで、
財産の分け方について遺言として残しておくことも、一つの方法だったと思います。
最後に
ここに書いたことが、唯一の答えではありません。
別の考え方も、別の正解も当然あるでしょう。
ただ、他人のケースを材料にして、自分のこととして考えてみる。
それだけでも、相続に対する見え方は大きく変わってきます。
私自身、今後も機会があれば、このような形で事例を取り上げながら、
一緒に考える場をつくっていきたいと思っています。
よろしければ、これからもお付き合いください。
親の相続で兄弟がもめる理由|事例から考える本当の原因
事例研究・後編 ――私なりの考え――
前回の三兄弟のお母さまの相続に関するトラブルについて、今回は私なりの考えを書いてみたいと思います。
前回も書きましたが、こうした問題に「絶対の正解」はありません。
しかし、他人の事例をもとに自分の立場で考えてみることは、いずれ自分の番が来たときの大切な予習になります。
今回の事例の要点は、
ご両親の面倒を見てきた末娘がすべて相続することでまとまりかけたものの、
実家の処分の話が出たことをきっかけに、話し合いが混乱してしまった
という点にあります。
詳しい経緯は、前回のブログをご覧ください。
子どもたち側の問題について
まず、子どもたち三人のやり取りについて考えてみます。
1.全体的なこと
本来であれば、具体的に決める前に、それぞれの状況をきちんと共有する場を持てればよかったと思います。
もっとも、皆それぞれ忙しく、それが現実的に難しかった可能性もあります。
2.妹さんの相談と次兄の対応
妹さんが「実家を処分したい」と相談したとき、次兄は、
「妹が相続する以上、妹の考えを尊重すべきだ」
と考えたのだと思います。
処分した場合にいくらくらいになるのかを確認すること自体は、決して不自然な行動ではありません。
ただ、その相談をしやすい相手が次兄だったとしても、長兄にも一言伝えておくべきだったと思います。
3.次兄の立場として
妹から相談を受けた次兄も、長兄に一言話を通しておくべきだったでしょう。
不動産業者は商売ですから、どうしても「処分する前提」で話が進みがちです。
そこに家族の微妙な感情や力関係までは配慮してくれません。
4.長兄の反応
一方、長兄も、不動産業者から直接話を聞かされ、頭に来たのでしょう。
しかし、そこで一度冷静になり、次兄や妹に事実関係を確認する余地はあったと思います。
結局のところ、
それぞれが「一言ずつ足りなかった」
その積み重ねが、話し合いを壊してしまったように見えます。
ここまでが、子どもたち側の問題です。
親が生前にできたかもしれないこと
次に、親の立場から考えてみます。
1.情報共有の習慣
離れた場所で暮らす子どもを含め、情報の共有はできていたでしょうか。
子ども同士が自然に連絡を取り合えるような関係づくりはできていたでしょうか。
定期的に、それぞれの状況や親自身の状況を発信していたでしょうか。
連絡を取り合う「くせ」をつけさせることも、親の大切な役割だと私は思います。
2.親にしか見えない全体像
三人の子どもたちの状況を、全体として把握できるのは親だけです。
今回の相続では末娘の今後の生活がテーマになりましたが、
他の兄二人の生活は本当に問題ないのか
教育費や住宅、老後などに不安はないのか
そうした点まで目配りをしたうえで、
財産の分け方について遺言として残しておくことも、一つの方法だったと思います。
最後に
ここに書いたことが、唯一の答えではありません。
別の考え方も、別の正解も当然あるでしょう。
ただ、他人のケースを材料にして、自分のこととして考えてみる。
それだけでも、相続に対する見え方は大きく変わってきます。
私自身、今後も機会があれば、このような形で事例を取り上げながら、
一緒に考える場をつくっていきたいと思っています。
よろしければ、これからもお付き合いください。
タグ: #相続 #事例研究 #争続 #行政書士こいでたくや事務所







