Column
自分史という言葉をご存知でしょうか。
日本近代史の泰斗、色川大吉が1975年に著した「ある昭和史」という本の副題に「自分史の試み」とつけたのが、最初の使用例とされている言葉です。
そこでは、「歴史の枠組みがどんなに明快に描けたとしても、その中に生きた人間の中身がおろそかにされているようでは、専門家のひとりよがりとしてみなされよう。(中略)たしかに同時代史はあまりにも近すぎて、歴史として熟れていない。それにもかかわらず、もっと書かれねばならないものだし、今こそめいめいが’’自分史とし’’として書かねばならないものだと思う。」と述べられています。
1975年という時代背景の文脈で読み込まれるべき文章であるとともに、市井の人それぞれについてその人生が固有の価値を持っているということについては、永遠の真理を表していると考えられます。
ここで触れられている自分史のイメージは、やはり、一冊の本のイメージ…すなわち、重厚なイメージかと思います。
1970年代にあっては、やはり人が何かを残すとすれば、このスタイルがほぼ唯一だったのですね。
しかし、今は違います、もっと手軽な方法がいろいろ選択できる時代になっています。
私は、一枚の思い出の写真を持ち寄って語り合うことで、自らの人生を振り返り、そこで湧き出てきた思いを記録に残すことで、より簡便な自分史を作ることができると考えて、それに取り組んでいます。
この、「一枚の写真の自分史」さまざまな効用があります。
このことについて7月21日お話ししたいと思います。
ぜひ足をお運びください。
なお、当日は、例えば大切な家族を失った時の悲しみに代表されるような深い悲しみを負っている方に、寄り添い、その悲しみを乗り越えるためのサポートをされている、金井さんが主催される勉強会です。
金井さんとお知り合いになれる大事なチャンスでもあります。
7月21日(土) 住吉のブルーオーシャンカフェで開催です。
詳細は下記アドレスをご参照ください。