Column
行政書士業務ではないのですが、最近関心を持っていることとそれに伴って新しく始めたことについて、ちょっと書いてみます。
厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられね65歳からの支給になることは、周知のとおりです。
これがために、企業に対しては
1.定年年齢の引き上げ
2.希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入
3.定年制の廃止
のいずれかの対応をとることが義務付けられています。
多くの大企業が、このうちの2を選択していることもご存じの方が多いと思います。
定年を迎えた社員が勤務できる状態にあり、希望すれば一年契約の雇用が65歳まで繰り返される仕組みです。
一般論として申し上げると、大きな会社では、55歳とか57歳で役職定年という制度が設けられていることが大勢を占めています。
つまり、形式的にこの時点で管理職としての任を解かれ、いわばスタッフ的な任務につくのです。そして、給与が何割かカットされます。
そして定年退職、ここから先が継続雇用なんですが、私の雇われていた会社では、役職定年時の給与のさらに半分程度、すなわち、もともとの給与から比較すると1/3近くに減額されてることなります。
仕事は、人によりますが、多くの場合、定例的な分析業務であったり、情報収集であったり、役職定年前に活躍されていた状況に比較すると似ても似つかぬ業務となる場合がほとんどです。
そうなってくると多くの定年退職者の仕事に対する意欲は下がっていかざるを得ないのが実情です。
これは、社員目線の書きぶりになります。
会社から見ると、今まで60歳定年で、その後は個体を評価して必要な社員だけ継続雇用していたものを、十把ひとからげに65歳まで継続雇用。
全員に責任のある仕事を配賦していくと、若手の育成に差し支えるわけです。
いかに国の政策といえども、それがために会社の人員育成に差支えがあってはならないので、責任のない仕事についてもらうことは、いはば苦肉の策であるわけです。
いかに給料を1/3近くまで下げても、継続雇用者の年俸は500万円近くになります。それだけかけて意欲がかならずしも高くない社員を雇う、というのは会社としてはうれしい話ではないですね。
これが、近い将来70歳までになるのは目に見えています。
社員にとっても会社にとっても不幸なことですね。
このような状況に別の要因も加わることにより、私は、厚生年金の支給時期が70歳になる段階では、大企業の高齢者雇用は大きく変わると考えています。
いや、65歳に支給時期が引き上げられる過程においても、制度の運用が大きく変更されるのではないかと危惧しております。
大企業といえども、複業の時代がやってきます。つまり、今まで会社にある意味お任せであった仕事や将来を自ら選択する時代がやってくるのです。
いや、選択というと聞こえはいいですね。複数の選択肢があって選べるなら恵まれています。自分の将来を自分で作り出さないといけない時代になるのですね。
だまって待っていたら何も生まれないのです。
これは、ひっくり返せば、自分で未来を練り上げ道を作っていくというやりがいのある事業でもあります。
次回は、別の要因について書いてみます。